小説同人誌を作るとき、本文を書き終えたあとに待っているのが「印刷所へ渡せるPDFにする」作業です。文章が完成していても、判型や余白、ノド、ページ番号などの設定が合っていなければ、そのままでは入稿できません。
難しそうに見えますが、作業を「原稿を整える」「本の設定を決める」「PDFを確認する」の3段階に分ければ進めやすくなります。
1. 先に印刷所の入稿案内を確認する
最初に、利用する印刷所の本文データ入稿案内を確認します。特に見ておきたいのは、対応するPDF形式、仕上がりサイズ、塗り足しの要否、推奨フォント、ページ数の数え方、奥付に必要な情報です。
同じA5や文庫判でも、印刷所や商品によって指定が異なる場合があります。原稿を作り終えてから設定を変えるとページ数や改ページ位置が動くため、できるだけ早い段階で確認しましょう。
確認結果は、「印刷所・商品名」「仕上がりサイズ」「本文の入稿形式」「塗り足し」「総ページ数の数え方」「奥付の必須項目」の6項目に分けてメモしておくと、書き出し後の照合にそのまま使えます。印刷所の案内ページのURLと確認日も一緒に残しておくと、仕様変更があったときに判断しやすくなります。
2. 原稿の構造を整理する
本文だけでなく、扉、目次、章タイトル、空白ページ、奥付をどこに置くか決めます。見開きを意識する場合は、章の開始ページが右か左かも確認します。
原稿内では、次のような表記ゆれも先に整えておくと安心です。
- 段落先頭の字下げ
- 三点リーダー「……」やダッシュ「――」
- 全角・半角の混在
- ルビや傍点の指定
- 章タイトル前後の空行
3. 判型・文字・余白を設定する
仕上がりサイズを選び、文字サイズ、行数、1行の文字数、上下左右の余白を調整します。綴じ側の余白は「ノド」と呼ばれます。ページ数が多い本ほど開きにくくなるため、ノドが狭すぎると内側の文字が読みづらくなります。
設定は数字だけで判断せず、実際のページを縮小せずに画面で見たり、可能なら家庭用プリンターで原寸印刷したりして、読みやすさを確かめるのがおすすめです。
4. 縦書きの崩れを確認する
縦書きでは、数字、英字、記号、括弧、ルビなどが思わぬ向きや位置になることがあります。特に電話番号、年号、感嘆符と疑問符の組み合わせ、アルファベットを含む固有名詞は確認しておきましょう。
章の終わりに1行だけ残る、見出しだけがページ下部に来る、といった状態も読みづらさにつながります。全ページを通して、改ページとページ末尾を見ます。
5. PDFを書き出したあとにもう一度確認する
編集画面が正しく見えていても、書き出したPDFが同じとは限りません。入稿する最終PDFそのものを開き、次を確認します。
- ページサイズと総ページ数
- 文字化けやフォントの置き換わり
- ルビ、傍点、記号の位置
- ノンブルの欠けや重複
- 意図しない空白ページ
- 奥付の内容
印刷所のチェックサービスがある場合は、そちらも利用すると安心です。
ブラウザで縦書きPDFを作るならRakuNovel
RakuNovelは、原稿と本の設定を入力し、縦書きの小説本文をプレビューしながら入稿用PDFを作成できるツールです。判型や余白などを設定し、章タイトルや空白ページ、ルビ・傍点を含む原稿を確認できます。
まずプレビューで組版を確認し、入稿用PDFが必要になった段階で書き出す流れなので、「専門ソフトの設定項目が多すぎて迷う」という人にも使いやすい構成です。
ただし、RakuNovelでPDFを作れば確認が不要になるわけではありません。最終的な入稿条件は利用する印刷所の案内が基準です。書き出したPDFと印刷所の仕様を照らし合わせ、最後は自分の目で全ページを確認しましょう。
まとめ
小説同人誌の入稿PDF作りで大切なのは、文章をPDFに変換することだけではありません。印刷所の仕様を先に確認し、判型と余白を決め、縦書き特有の崩れを点検するところまでが入稿データ作りです。
一度に完璧を目指さず、原稿整理、組版、PDF確認の順に進めると、初めてでも迷いにくくなります。